とびらミュージアム西洋美術史を主題から引く

Vetus Testamentum in arte occidentali

旧約聖書

初期キリスト教から20世紀まで、西洋美術は旧約聖書の物語を繰り返し描いてきました。描かれた物語は、天地創造と楽園追放に始まり、出エジプト、士師と王たちの時代、預言者たち、そしてユディトやスザンナのような外典の女性たちにまで及びます。

凡例
  • 制作年・所蔵は一般的な通説によります。厳密な典拠が必要な場合は各リンク先で確認してください。
  • 章節番号は新共同訳・聖書協会共同訳の区分に従っています。外典(第二正典)はカトリック・正教会では正典、プロテスタントでは外典です。

第一部 創世記:天地創造から族長たちへGenesis

天地創造、楽園追放、洪水、バベル、アブラハムからヨセフに至る族長物語。人類の起源と契約の物語は、システィーナ礼拝堂の天井からブリューゲル、レンブラント、シャガールまで、旧約主題の中心を占めます。

第二部 出エジプトとモーセ、約束の地Exodus

ナイルからの救出、燃える柴、十の災い、紅海の奇跡、律法、金の子牛、荒野のマナ、青銅の蛇。教皇や君主が自らを「新しいモーセ」に重ねたため、大規模な壁画連作が多く残ります。

第三部 士師記とルツ記Iudices

サムソンとデリラ、ヤエル、エフタの娘、そして落穂を拾うルツ。異教の女に敗れる英雄、あるいは異邦の女の忠節。力と誘惑、犠牲と献身の物語です。

第四部 サムエル記・列王記:サウル、ダビデ、ソロモン、預言者たちReges

羊飼いから王へ。ゴリアテに勝つ少年ダビデはフィレンツェ共和国の象徴となり、バテシバへの欲望とその代償は17世紀の画家に人間の弱さの主題を与えました。ソロモンの裁きと知恵、エリヤの奇跡が続きます。

第五部 預言者とバビロン捕囚:イザヤ、エレミヤ、エゼキエル、ダニエル、ヨナ、ヨブProphetae

エルサレム陥落を嘆くエレミヤ、獅子の穴のダニエル、壁の文字に怯えるベルシャザル、大魚に呑まれるヨナ、そして苦難を問うヨブ。ミケランジェロは天井に七人の預言者を巨人として座らせました。

第六部 外典・第二正典と歴史書の女性たち:ユディト、スザンナ、エステル、トビトDeuterocanonici

敵将の首を斬るユディト、長老に覗かれるスザンナ、王の前で気絶するエステル、天使に導かれるトビアス。「英雄的な女」と「貞節と欲望」の主題は、バロック絵画で最も繰り返された旧約図像です。

第七部 初期キリスト教・中世の旧約図像Vetus Testamentum in arte medievali

旧約は「新約の予型」として読まれ、写本、扉、ステンドグラス、祭壇に体系的に配置されました。現存する最古の旧約物語画は、3世紀のドゥラ・エウロポスのシナゴーグ壁画です。

第八部 近現代の旧約:ブレイク、マーティン、ドレ、ティソ、シャガールAetas nova

ブレイクの幻視、ジョン・マーティンの崇高、ドレの挿絵、ティソの考古学的写実、そしてシャガールの「聖書のメッセージ」。旧約は個人の信仰と民族の記憶の表現になりました。